カメライフログ

主に、カメラや写真に関して書いています。たまに、他の事も書いてます。

FUJIFILM XF56mmF1.2 R WR 旧型との比較レビュー

どうも、は→とです。

 

今回はレンズレビューです。

ずっと気になっていたレンズなのですが、ついに買っちゃいました!

これです!

 

ちなみに僕は、56mmは旧型も持っています。

折角ですので今回は旧型を手放す前に、両者の比較レビューをしたいと思います。

比較をして「新型が欲しい!」ってなったり、「これ位の差なら、値崩れしている旧型の方がお得だ!」って判断材料になってもらえれば幸いです。

 

 

XF56mmの歴史

 

まずはXF56mm自体の簡単な説明から。

 

旧型のXF56mm F1.2 Rは2014年に、当時X-T1と同時期に出たレンズです。X-T1は発売から4〜5ヶ月程経ってから買ったのですが、まずは最低限のシステムを揃える為にこのレンズの優先順位が低かったので暫くは買わず。

その後更に1年ちょっとしてから、主に子供のポートレート用レンズとして購入しました。

写真を見返してみると、たまに旅行にも持って行ってて自分でもビックリです。標準レンズや35mmF1.4ならまだしも、あんなでかいレンズよく持っていく気になったな…。

(ちなみに子供の素早い動きに対応するには、レンズも当時のカメラのAF性能自体も足りず、ボケ写真を大量に量産しました)

 

今回紹介する新型は、2022年9月にX-H2と同時期に出たレンズです。X-H2は4,020万画素という高画素の為、それに対応する為に8年程の時を経てリニューアルされたというわけですね。

 

開封

それではレンズを開封していきます。

箱はいつもの感じです。

箱から出した所。なんか丸っこいレンズですね。フィルター径が67mmに変更されており、新規でフィルター購入しました。

TAMRONの11-20mm F2.8と同じフィルター径です。実は2個買ってました(笑)

 

旧型よりまぁまぁ大きくなっています。が、APS-CサイズなのでF1.2という事を考えたら十分許容サイズです。

フードが相変わらずデカくてチープ(笑)旧型もそうだったのですが、ボディが金属製なので、樹脂製のフードはほんと合わない。

キャップを外したところ。

前玉が大きいです。

旧型と違う点としては、最近のフジノンレンズに搭載されている絞りリングのロックスイッチの有無。特に旧型はリングがいつの間にか回ってしまっていたという事があったので、これは便利です。

F1.2の印字。フルサイズ感覚だとF1.8相当になるのかな(厳密には違うけど)。

旧型からの大きな改善ポイントの一つは、防塵防滴仕様になった事。これで天候を気にせず撮影が出来ます。

 

X-T5に装着したところです。

L型プレート装着していますが、これで丁度良い感じです。プレートが無いとレンズがテーブルに当たります。

 

スペック比較

次は両者の比較を。まずは数字上の比較をしていきます。

 

新型

旧型

レンズ構成

813

811

画角

28.5°

28.5°

最大口径比

F1.2

F1.2

最小絞り

F16

F16

絞り羽根枚数

11

7

最短焦点距離

0.5m

0.7m

最大撮影倍率

0.14

0.09

最大径

Φ79.4mm

Φ73.2mm

長さ

76mm

69.7mm

質量

445g

405g

フィルターサイズ

Φ67mm

Φ62mm

絞りリング

有り(ロック付き)

有り

防塵防滴

有り

無し

ほぼ同じ名前を冠したレンズですが、比較するとこんな感じ。もうね、別物です

新型はレンズや絞り羽根の枚数が増えた分大きく重くなりました。屋外で多用する人にとっては、防塵防滴仕様になったというのは大きなポイントですね。

もっと大きいレンズもあるので感じ方に個人差が有りますが、小さい方が取り回しがしやすいという人にとっては、旧型のレンズも十分魅力的です(旧型も、けっして小さいレンズでは有りませんが)。

 

旧型とのサイズ比較

まず始めに、知っている人も多いとは思いますが、旧型のレンズフード、XF23mm F1.2 Rのオプションフードを取り付ける事が出来ます。付属のフードがカッコ悪いので、僕はずっとこのフードを使っていました。

 

新型はレンズ径が大きくなったので、フィルター同様、フードも流用できません。

Amazonで調べたところ、同じようなフードがヒットしたので、追加購入しました。

 

作りもしっかりしていて、悪くないです。

 

フードを付けて両者のサイズ比較です。左が新型。

旧型は「傷が付くんじゃないか?」ってくらいフードが固かったので一度付けてしまえば外れること絶対に無いのですが、こっちの新しく買った新型用のフードは若干緩く、レンズ交換の時に回ってしまう事があります。間位の固さが丁度良いのに…。

スペックシート通り、全体的なサイズは新型が一回り大きいです。

 

旧型の前玉もかなり大きいですが、新型はさらに大きい。右側が新型です。

 

絞りリングの比較です。絞りロックボタンは先ほど紹介した通りですが、リングの位置もボディの真ん中付近になったので、操作がしやすくなりました。

 

これ位のサイズ感になってくると、バランス的にはX-TシリーズやX-Hシリーズ以外に装着すると、かなりフロントヘビーになりますね。

 

解像度の比較

それでは両者のレンズの写りにどんな違いがあるか、見ていこうと思います。

三脚に固定してISO400にて、jpeg撮って出しで比較します。

F1.2中央部

まずこっちが新型。絞りF1.2にて撮影した写真です。

こっちが旧型。同じく絞りF1.2に合わせています。

引きだと両者の違いが分からないですね。露出は±0にしているのですが、フジは暗くなりがち。

ちなみに画角ですが、微妙に新型の方が狭いですね。どっちが本当の56mmなんだろう。

 

新型の拡大写真です。絞り開放でも十分解像していますね。

こっちが旧型。僅かに滲んでいるので、新型の方がシャープです。

まぁカメラが1600万画素時代のレンズですからね。絞り開放という事を考えると十分解像している方ではないでしょうか。

 

F11中央部

次はどちらも絞りをF11まで絞ります。

すみません写真左側の方、センサーのゴミが写ってしまっています。

カメラは定期的にクリーニングしないといけないですね。

やはり引きの写真だと、両者の違いが分かりません。

新型の拡大写真。解像感は非常に高いですね。キレキレです。

旧型も絞ると非常に高い解像感です。十分4020万画素に対応しています。

僕には違いが分かりません。

 

F1.2周辺部

次は周辺部の解像度を見ていきましょう。

こちらが新型。再度F1.2開放です。

こっちが旧型。解像感以外に、別のことが分かりました。

三脚に乗せて何度も写真を撮ったのですが、どうしてもオートフォーカスではピントが合いません。ちゃんとAF合焦マークが付くのですが、こんな感じでした。

改めて、マニュアルフォーカスでピントを合わせて撮った写真がこちら。相変わらず引きの写真では違いが分かりません。

それではそれぞれの拡大写真を。新型は周辺部の画質もバッチリですね。

マニュアルフォーカスでピントは合いましたが、旧型はかなり滲みが出ています。

これは新旧レンズの解像感に明らかな差があります

 

F11周辺部

最後に、絞りを11まで絞って両者レンズの周辺部の解像度を見ていきます。

新型のF11の写真です。

こちらは旧型。今度は問題なくフォーカス合焦しました。開放だと難しいのかな。

見た感じ違いが分からないのは一緒です。

新型の拡大写真。

絞ると両者の違いはあまり分からなくなりました。

 

最短撮影距離の違い

スペック上、大きく向上したのが最短撮影距離です。

 

マクロには程遠いですが、テーブルフォトが無理のない体勢で出来るようになりました。

旧型の最短撮影付近はこれ位。やっぱり寄れない。人によってはこれだけでも新型のレンズの価値は大きいと思います。

 

ボケ感の違い

このレンズを買う人は、絞り開放を多用すると思います。僕は、そのためのF1.2だと思い込んでいます。

新型になって、ボケ感にどんな違いがあるのでしょうか?

こちらが新型での開放写真です。jpeg撮って出しで比較します。

こっちが旧型。縮小画像だとあまり違いが分かりにくいですが、ちょっとだけ、旧型の方がボケの輪郭がハッキリ出ているような気がします。

 

場所を変えて。同じく開放の撮って出しです。

なるべく背景が煩そうな場所を選んだつもりだったのですが、自然な感じでボケてくれますね。

手水の竹筒の右側辺りの丸いボケが分かりやすいかなと思うのですが、やはり旧型の方が、ボケの縁が少しはっきりして固い印象があります。

ただ比較しての話なので、個人的には、今までこれで不満に思ったことはありません。

 

次は夜景です。

すみません今田舎に住んでいるので、夜明るい場所が全然ありません。変な場所で撮影していますが気にしないでください。

新型は、比較すると周辺部のレモン型が大きいですね。レンズが長くなったので仕方のないことでしょう。

こっちは旧型。

よーく見ると羽根の枚数分少しだけボケがカクカクしているような、気のせいのような…多分気のせいですね。十分綺麗な丸です。

 

こっちの方がレモン型が分かりやすいと思います。

こっちは新型。

こっちは旧型。光の重なっている部分の縁の、色が変わっていますね。

 

 

その他使っていて気になったこと

スペック上では分からなかったことを、少しだけ書きたいと思います。

厳密に比較したわけではないので、あくまで僕の感想です。

 

フォーカスは相変わらず遅い、そしてうるさい

めっちゃフォーカススピードは遅いです。

なんだったら、新型の方が場合によってはほんの少しだけ遅いかもしれません。そして、ギコギコ音がかなりします。

音無し素材でない限り、絶対に動画では使えない(ブリージングもあるので、富士も動画用としては想定していないと思います)。

 

ピント精度も、条件によっては新型の方が悪い

全部じゃないと思いますが、例えば上で紹介した花を撮った比較写真、新型のみマニュアルフォーカスで撮りました。

 

なぜか、理由は簡単、新型はどうやってもオートフォーカスではピントが合わなかったから

 

新型の方が最短撮影距離が短いので、逆なら分かるのですが、何度シャッター半押ししても新型はピントが奥に行ってしまって、手前の花を認識することは出来ませんでした。

室内で撮影した時には、旧型の方が絞り開放で周辺部にピント合わせる事が出来なかったのですが、逆の現象が出ました。

F値を2まで絞るとフォーカス合ったので、なんらかの制限があるのかもしれません。

 

そしてレモンボケの比較写真も、赤い光の写真の方は、新型はマニュアルフォーカスで撮っています。暗所では、新型はピントが合いませんでした

設計を無理しているのかな?何が原因かは分かりません。

 

新型レンズの凄さ

解像度が高いことは室内での比較写真で少し紹介しましたが、もっと情報量が多いシーンではどうでしょうか?

例えばこの写真、ビルの上辺りを拡大してみます。

 

マジかよ…。人が確認できる。

僕はLightroomで現像する際に画素数落としてるのですが、それでもこのレベルです。

文句なしの解像度ですね。

 

これは旧型も言える事ですが、夜でも手持ち撮影が出来て、星が背景で玉ボケするって、APS-CとはいえF1.2の明るさは伊達じゃないです。

「本当に星なの?」って人のために星側にピント合わせてもう一枚。

ね?

 

ちなみにこれも手持ち撮影で。

明るさはフルサイズが有利と言われますし実際正しいと思いますけど、APS-Cだってダメなわけでは無いと思います。

 

作例

最後に、わずかですが新型のレンズで撮った写真をいくつか紹介したいと思います。

寄れるようになったので、色んなシーンを撮りやすくなりました。

20cmの差はバカにならないですね。

 

APS-Cで33〜60mm(フルサイズ換算約50〜90mm)位の焦点距離が個人的には好きな距離で、撮っていて楽しいです。

 

圧縮効果を少し感じ出すくらいの距離でしょうか?

 

拡大すると葉脈までハッキリ確認できる程の解像度です。流石最新レンズです。

 

福井にも、厳島神社が有ります。規模は違いますが(笑)

 

明るいレンズは、夜に使いやすい。

忙しくて夜にしか撮りに行けない事も多いので、これは多用するかも。

 

本日はこれ位で。

ではまた。