クセがすごい!
先に結論書きました、は→とです。
いやー、思った以上に難しいね。全然優等生じゃない。
でも、予期しない結果が出てくるのでそれはそれで楽しい。
現代レンズでは考えられないような出来でした、7artisansの35mmF1.2。
前回開封レビュー書きましたが、今回は実際に撮影してのレビューです。
まず始めに、汎用性を求める人には、とてもじゃないけど勧められないです。
使ったことないけど、オールドレンズの感じなのかな。
でも上に書いたように、楽しい。実際に使ってみて、思ったことをいくつか書いていこうと思います。
操作性
最初に操作性ですが、レンズが小さい割には操作はしやすいです。
フォーカスリングは指掛けがあり操作性が良く、絞りはシームレスでレンズの折れ部なので自然に手を添える位置になります。
絞りに関しては、数字が大きくなるにつれて間隔が狭くなる為、特にF4位~F16の間は微調整がちょっと難しいかな。
絞り稼働範囲全体の半分をF1.2~F2.4位で占めているので、逆に言うと開放付近を多用する人向きだと思います。
優秀な点
こっからは撮った写真を順不同で紹介します。
まず、ボケは綺麗。
前も後ろも、滲んでいくようになだらかに境界線が消えていく感じです。
開放だとピントが合っている個所もそこそこふんわりした絵になります。
柔らかい描写で、そこら辺は純正のXF35mmF1.4にちょっと似ているかな…
開放がF1.2なので、ピントはかなり薄い。MFなので、動き物は結構難易度高くなります。
まぁ、絞ればいいだけの話ですが…。
その絞った絵ですが、かなり描写力は高いです。
絞ってもボケは綺麗。やはりこのレンズ最大の魅力は、このボケじゃないかな。
夜景に関しても、開放で暗い場所でもシャッタースピードを稼げます。
(暗すぎて、手持ちでは流石にぶれましたが、レンズではなく僕の腕のせいなので、あしからず)
そして、周辺光量が随分低下するにもかかわらず、点光源のボケが結構円形を維持できています。レンズの全長が短いのが、かなり活きてきますね。
純正の35mmF1.4とか56mmF1.2は周辺はだいぶレモン型になるのに、これは夜間撮影には非常に良い選択肢です。
で、口径食は大きいの?小さいの?
じゃじゃ馬な点
上で書いた、周辺光量です。
めちゃくちゃ減光がありますね。作品として取り入れた方が、雰囲気が出ると思います。
次にフレア、ゴーストに関して。
これが一番厄介です。
太陽を画面に入れてみても、流石にゴーストは出ますが色乗りも良く、コントラストの低下は余り見られませんでした。
案外いけるんじゃない?
って思いましたが、違いました。
この写真、全体に、まるでセピアのような写真になっていますが、ホワイトバランスオートです。
フジはホワイトバランスが優秀で、現に、オート任せで色のおかしな写真になることはほぼ有りません。
なのにこんなに色が被ってて、これは多分カメラのせいじゃない…。
なにこれ、レンズ特性?
フィルムは写ルンですしか知らずレンズも技術が進化したオートフォーカスばかり使っているデジタル世代の僕は、なんでこんな事になるんだろうと初めは分かりませんでした。
フレアです。
それも随分色の付いたフレアです。
多分、いわゆるコーティング処理がほとんど無いですね。
光に対して特定の角度の時のみ、とてつもなく盛大なフレアが出ることが分かりました。
開放からF2.8位までは、結構出ますね。
なので、このレンズ使用時は特に室内撮影はかなり注意が必要です。
分かりやすく、室内で照明からちょっとずつ撮影角度を下げてみます。
照明を入れている時は全然でない。
あれ?
出
たぁー!
めっちゃ暖色系のフレアですね。
その気になれば、こんな照明一つだけで画面の半分位フレア出せます。
だから光源が沢山ある公共の室内では、どっかしらの照明が丁度フレアが出る角度になって、全体的にこんなことになるんでしょうね。
かといって室内は露出が足りなくなるので開放付近にせざるを得ない…。
やはり、上手くお付き合いするためには作品として取り入れましょう。
まとめ
良いところも悪いところもありますが、個人的にはこのレンズ、かなり気に入りました。
理由はやっぱり、扱いが難しいから。
使いこなすにはそれなりの熟練が必要だと思いますが、純正では出せない味があるというか、このレンズでしか出せない絵が間違いなくあります。
狙って出せれば理想なんでしょうけど、今は思いがけない結果が楽しい。
目的を持って写真を撮る際は、このレンズは余り向いていません。
上記のように、勝手に味を出してしまうから(笑)
お散歩レンズとして持ち出すと、普段の風景を彩ってくれる、新しい発見がある楽しいレンズです。
最後に何枚か、他に撮った写真を。
また、50mmの方も書こうと思います。